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2004年11月10日 小説
昨日再読してみて、これは意外と傑作かもと思いました。

「ロリコンは人間じゃない。小学生を盗撮する醜い俺を写せ!その醜さを確認して立ち直ろう」
という理屈はすばらしい。
小学生のパンチラを撮りたい衝動を、「後輩にロリコンの醜さを教える」という自己犠牲にすりかえて自分はそのすりかえに気づいていない、というのは生半可な作家にはかけないシーンじゃないでしょうか。
「犯罪者的な欲求をなんとか正当化したい」「人の役に立って認められたい」「でも自分は傷つきたくない」という人間の最も醜いところを最も醜く描いている、という点で文学史上に残る名シーンだと思います。
個人的にはね。

ISBN:4048733397 単行本 滝本 竜彦 角川書店 2002/01 ¥1,785

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