『ギロチン城』殺人事件―驚愕の密室犯罪
2005年2月20日 ミステリ
読み中。
文圧が高いと評判だが、これはこれはむしろ《文圧が低い》のではないかと思う。
たしかにマスメは埋まっているけど、情報量は増えることによって逆に圧力は下がる、と思う。←これが普通の考え方だとおもうんだけど・・・
それはそうと、これは面白い。読みにくいという評判も聞いたけど、自分にとってはすいすい読める文章だった。
今のところ印象としては『コインロッカー・ベイビーズ』に似ている。
あ、村上龍が好きだからかな、読みやすいのは。
ISBN:406274936X 文庫 舞城 王太郎 講談社 2004/12 ¥580
文圧が高いと評判だが、これはこれはむしろ《文圧が低い》のではないかと思う。
たしかにマスメは埋まっているけど、情報量は増えることによって逆に圧力は下がる、と思う。←これが普通の考え方だとおもうんだけど・・・
それはそうと、これは面白い。読みにくいという評判も聞いたけど、自分にとってはすいすい読める文章だった。
今のところ印象としては『コインロッカー・ベイビーズ』に似ている。
あ、村上龍が好きだからかな、読みやすいのは。
ISBN:406274936X 文庫 舞城 王太郎 講談社 2004/12 ¥580
連城三紀彦の歴史に残る名作短編集。
だそうだが、そこまですごいとは思わなかった。
これは多分わたしが推理小説に求めるものが違ったためだと思う。
確かに小説としては、面白い。圧倒的に。
じっさい文章も上手いし、情景が頭に思い浮かぶようなシーンも多々あった。
でも、こんなんじゃない。
私が推理小説にもとめるのは[稚気]だから。
大人な推理小説なんて。
ただの小説じゃん。
ISBN:4061830635 文庫 連城 三紀彦 講談社 1983/01 ¥428
だそうだが、そこまですごいとは思わなかった。
これは多分わたしが推理小説に求めるものが違ったためだと思う。
確かに小説としては、面白い。圧倒的に。
じっさい文章も上手いし、情景が頭に思い浮かぶようなシーンも多々あった。
でも、こんなんじゃない。
私が推理小説にもとめるのは[稚気]だから。
大人な推理小説なんて。
ただの小説じゃん。
ISBN:4061830635 文庫 連城 三紀彦 講談社 1983/01 ¥428
この人の代表作。
これはたしかに面白かった。トリックもめちゃくちゃだが、このめちゃくちゃさはミステリとして一番喜ばれるめちゃくちゃさだ。
この人、作品の出来不出来こそそんなにないけれど、ミステリとしての出来不出来はかなりはげしい。
そんな中でこの人のミステリの才能が最も発揮された作品のひとつ。
はじめはやはりこの作品から。
ISBN:4061819011 単行本(ソフトカバー) 森 博嗣 講談社 1996/04 ¥924
これはたしかに面白かった。トリックもめちゃくちゃだが、このめちゃくちゃさはミステリとして一番喜ばれるめちゃくちゃさだ。
この人、作品の出来不出来こそそんなにないけれど、ミステリとしての出来不出来はかなりはげしい。
そんな中でこの人のミステリの才能が最も発揮された作品のひとつ。
はじめはやはりこの作品から。
ISBN:4061819011 単行本(ソフトカバー) 森 博嗣 講談社 1996/04 ¥924
なみだ研究所へようこそ!―サイコセラピスト探偵波田煌子
2005年1月3日 ミステリ
んー・・・。とりたてて悪いわけでもなく、かといって良いわけでもない。
そんな作品でした。
この作者の持ち味は、デビュー作「邪馬台国はどこですか?」に集約されているように思います(たいして読んだわけじゃないけど)。
歴史に対する新解釈をバーでだべりながら語る、そういうコンビニで売ってそうな薀蓄本みないなものを書かせたら、右に出るものはなかなかいない人です。もちろん最初に読んだのが「邪馬台国〜」だという先入観でもって書いてますが。
さて、本作についてです。
米臨床心理士と伝説のサイコセラピスト、そして美貌の女会計士が繰り広げる、クライエントとのユーモア溢れるドラマ。伝説のセラピスト・波田先生の涙が落ちるとき、不思議なフシギな推理がはじまる…。
ってな内容でした(アマゾンからのコピー&ペースト)。
本作は8章からなる短編集です。作者の文章はとても軽くて、あんまり抑揚がないので、短編にはぴったりです。心理学に対する薀蓄もあるし、キャラもそれなりに立っているように思えるのだけれど・・・。
「一見なになにの症状に見えますが本当はなになになんでしょう?」
「えっ!先生どうして分かったんですか!」
みたいなことを延々やられても、さすがに飽きます。すごくフェアな手がかりから症状を判定していってもらえれば、セラピーの部分を真面目にやってもらえれば、それなりに楽しめたのだろうけれど、その部分が、ギャグというかユーモアというか屁理屈で楽しませるような作りになっているので、通して読むと疲れます。
悪口も書いたけど、この作者は遊び心を忘れない作品を作るので、すごく好きな作家の1人です。
ので、次に期待。
ISBN:4396207123 新書 鯨 統一郎 祥伝社 2001/03 ¥860
そんな作品でした。
この作者の持ち味は、デビュー作「邪馬台国はどこですか?」に集約されているように思います(たいして読んだわけじゃないけど)。
歴史に対する新解釈をバーでだべりながら語る、そういうコンビニで売ってそうな薀蓄本みないなものを書かせたら、右に出るものはなかなかいない人です。もちろん最初に読んだのが「邪馬台国〜」だという先入観でもって書いてますが。
さて、本作についてです。
米臨床心理士と伝説のサイコセラピスト、そして美貌の女会計士が繰り広げる、クライエントとのユーモア溢れるドラマ。伝説のセラピスト・波田先生の涙が落ちるとき、不思議なフシギな推理がはじまる…。
ってな内容でした(アマゾンからのコピー&ペースト)。
本作は8章からなる短編集です。作者の文章はとても軽くて、あんまり抑揚がないので、短編にはぴったりです。心理学に対する薀蓄もあるし、キャラもそれなりに立っているように思えるのだけれど・・・。
「一見なになにの症状に見えますが本当はなになになんでしょう?」
「えっ!先生どうして分かったんですか!」
みたいなことを延々やられても、さすがに飽きます。すごくフェアな手がかりから症状を判定していってもらえれば、セラピーの部分を真面目にやってもらえれば、それなりに楽しめたのだろうけれど、その部分が、ギャグというかユーモアというか屁理屈で楽しませるような作りになっているので、通して読むと疲れます。
悪口も書いたけど、この作者は遊び心を忘れない作品を作るので、すごく好きな作家の1人です。
ので、次に期待。
ISBN:4396207123 新書 鯨 統一郎 祥伝社 2001/03 ¥860
探偵が警察より優先捜査権を持つパラレルワールドのイギリス。
そこで探偵皇・クリストファー卿が殺された。
犯行現場は密室。そこにいたのは記憶を失った"私"だけ。
犯人はイギリスの探偵を次々と殺している殺人鬼"猫"であることは分かっている。
はたして"私"が"猫"なのか―。
警察の手にかかれば、その場にいた私が犯人にされてしまう。
"私"は探偵士に真相の解明を依頼することにした。
3人の優秀な探偵士の中から誰に捜査を依頼すればいい?
といった内容。
読者が3人の探偵の内から1人を選んで話を進めていくようになってます。なんかゲームブックっぽいな、と思っていたら、あとがきを読むと、もともとがゲームブックだったのを長編小説のような形に直したものらしい。
試みとしてはすごく面白い。
ただ、物語の最後の方で現実世界とヴァーチャル世界との区別がつかなくなるところが、さすがに古臭い、と思ってしまった。10年以上も前に書かれたものなので仕方ないのだろうけど。
もう一点、最終的にこの小説では話を収束させているのだけれど、選択がパラレルである以上、真相ももっとパラレルなものであっても良いのではないかと感じた(ネタバレになるので、あいまいな書き方でごめんなさい)。
ISBN:4062739615 文庫 山口 雅也 講談社 2004/02 ¥750
そこで探偵皇・クリストファー卿が殺された。
犯行現場は密室。そこにいたのは記憶を失った"私"だけ。
犯人はイギリスの探偵を次々と殺している殺人鬼"猫"であることは分かっている。
はたして"私"が"猫"なのか―。
警察の手にかかれば、その場にいた私が犯人にされてしまう。
"私"は探偵士に真相の解明を依頼することにした。
3人の優秀な探偵士の中から誰に捜査を依頼すればいい?
といった内容。
読者が3人の探偵の内から1人を選んで話を進めていくようになってます。なんかゲームブックっぽいな、と思っていたら、あとがきを読むと、もともとがゲームブックだったのを長編小説のような形に直したものらしい。
試みとしてはすごく面白い。
ただ、物語の最後の方で現実世界とヴァーチャル世界との区別がつかなくなるところが、さすがに古臭い、と思ってしまった。10年以上も前に書かれたものなので仕方ないのだろうけど。
もう一点、最終的にこの小説では話を収束させているのだけれど、選択がパラレルである以上、真相ももっとパラレルなものであっても良いのではないかと感じた(ネタバレになるので、あいまいな書き方でごめんなさい)。
ISBN:4062739615 文庫 山口 雅也 講談社 2004/02 ¥750
最後の犯人当てがものすごく面白い。
容疑者がひとりひとり外されていく描写はとても素敵。
マイ・フェイバリット・ミステリシーン。
最後に犯人を指摘するときの「あらあら何か誤解を招くような書き方しましたかね、そんなことありませんよね、犯人は明らかなんですから」みたいな書き方にしびれます。大笑い。
ベタですけどクイーンで一番好きな作品かも知れません。
ISBN:4488104037 文庫 鮎川 信夫 東京創元社 1983/04 ¥651
容疑者がひとりひとり外されていく描写はとても素敵。
マイ・フェイバリット・ミステリシーン。
最後に犯人を指摘するときの「あらあら何か誤解を招くような書き方しましたかね、そんなことありませんよね、犯人は明らかなんですから」みたいな書き方にしびれます。大笑い。
ベタですけどクイーンで一番好きな作品かも知れません。
ISBN:4488104037 文庫 鮎川 信夫 東京創元社 1983/04 ¥651
ふざけたタイトルの割にまっとうなミステリでした。
気のせい?
職人仕事って感じでした。でもね、個人的にはもっといい加減なものの方が好きです。
こういっちゃなんなんですけど、推理小説なんて暇つぶしなんだから、トリック入れなきゃとか、どんでん返ししなきゃとか、そういったことを義務感みたいにやられるくらいなら、トリックも解決もないくらいの方が良いのではないかなと。
そういえば、確か江戸川乱歩の作品で、解決を書き忘れた作品があったことを思い出しました。このくらいの方が大物感があって好感もてます。
作中作のYMOの薀蓄ミステリを展開させてくれた方が良かったかな、と。
ISBN:4061822470 新書 浦賀 和宏 講談社 2002/05 ¥735
気のせい?
職人仕事って感じでした。でもね、個人的にはもっといい加減なものの方が好きです。
こういっちゃなんなんですけど、推理小説なんて暇つぶしなんだから、トリック入れなきゃとか、どんでん返ししなきゃとか、そういったことを義務感みたいにやられるくらいなら、トリックも解決もないくらいの方が良いのではないかなと。
そういえば、確か江戸川乱歩の作品で、解決を書き忘れた作品があったことを思い出しました。このくらいの方が大物感があって好感もてます。
作中作のYMOの薀蓄ミステリを展開させてくれた方が良かったかな、と。
ISBN:4061822470 新書 浦賀 和宏 講談社 2002/05 ¥735
馬鹿な―!と思う。まったく馬鹿げている。こんなことがあってたまるものか。
杉浦のあの手記がもし事実というなら、昭和32年の1月29日の夜、札沼線の車中でピエロが踊り、そののちトイレの個室にこもってピストル自殺し、しかしその死体は一瞬ののちに煙のように消えうせ、そののち、鉄道跳込み自殺で首を失った死体がむっくりと起きあがってふらふら歩きだし、さらには、この死体が置かれていた一号車両が、突如天に向かって持ちあがり、645列車は脱線したということになる。こんな奇妙なおとぎ話を、いったい誰が信じるというのか。
(本文より)
素晴らしいの一言。こんな社会派!ミステリを書けるのは、島田先生以外にはいないとおもいます。なんか謎が不思議すぎて笑っちゃいます。でも最後にはすべてなんとか収拾つける。
ミステリ界屈指の豪腕、ではないでしょうか。
ISBN:4334716628 文庫 島田 荘司 光文社 1993/03 ¥700
杉浦のあの手記がもし事実というなら、昭和32年の1月29日の夜、札沼線の車中でピエロが踊り、そののちトイレの個室にこもってピストル自殺し、しかしその死体は一瞬ののちに煙のように消えうせ、そののち、鉄道跳込み自殺で首を失った死体がむっくりと起きあがってふらふら歩きだし、さらには、この死体が置かれていた一号車両が、突如天に向かって持ちあがり、645列車は脱線したということになる。こんな奇妙なおとぎ話を、いったい誰が信じるというのか。
(本文より)
素晴らしいの一言。こんな社会派!ミステリを書けるのは、島田先生以外にはいないとおもいます。なんか謎が不思議すぎて笑っちゃいます。でも最後にはすべてなんとか収拾つける。
ミステリ界屈指の豪腕、ではないでしょうか。
ISBN:4334716628 文庫 島田 荘司 光文社 1993/03 ¥700
出版社/著者からの内容紹介
階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた3人の青年。3人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。ラストで明らかになるあまりにも異常な「切断の理由」。そして……!!
という内容紹介を読んで購入した次第。
岡嶋二人の「そして扉が閉ざされた」みたいなのを期待して買いましたが、ちょっと違ったみたいです。
閉じ込められた3人が中心になってミステリを解いていくのかと思ったら、外で行われている犯罪とのリンクによって真相が明らかになってゆく、というわりと自然解決型に近い展開でした。
この人の本ははじめて読んだんですが、とてもプロっぽい、職人っぽいミステリを書く人だな、と感じました。
ただ、真相に辿り着くまでにほとんど回り道なしで話がすすめられているところが、ミステリのカタルシスを損ねているような気がします。
個人的な好みとして、登場人物がいろんな仮説をたてて、ああでもないこうでもないと言いながら真相にたどり着く、といったものの方が好きなので。
長編にして耐えられるだけのミステリ要素を充分にもってる本書だけに、もったいないように思いました。
ISBN:4061821903 新書 浦賀 和宏 講談社 2001/05 ¥756
階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた3人の青年。3人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。ラストで明らかになるあまりにも異常な「切断の理由」。そして……!!
という内容紹介を読んで購入した次第。
岡嶋二人の「そして扉が閉ざされた」みたいなのを期待して買いましたが、ちょっと違ったみたいです。
閉じ込められた3人が中心になってミステリを解いていくのかと思ったら、外で行われている犯罪とのリンクによって真相が明らかになってゆく、というわりと自然解決型に近い展開でした。
この人の本ははじめて読んだんですが、とてもプロっぽい、職人っぽいミステリを書く人だな、と感じました。
ただ、真相に辿り着くまでにほとんど回り道なしで話がすすめられているところが、ミステリのカタルシスを損ねているような気がします。
個人的な好みとして、登場人物がいろんな仮説をたてて、ああでもないこうでもないと言いながら真相にたどり着く、といったものの方が好きなので。
長編にして耐えられるだけのミステリ要素を充分にもってる本書だけに、もったいないように思いました。
ISBN:4061821903 新書 浦賀 和宏 講談社 2001/05 ¥756
『アリス・ミラー城』殺人事件
2004年12月15日 ミステリ
アリス・ミラー城、ルイス・キャロルにちなんだこの城に、探偵たちが呼び寄せられた。目的はこの城のどこかにある、鏡の向こうかわに行けるというアリス・ミラーを見つけ出すこと。しかしアリス・ミラーを手に入れることができるのは、最後まで生き残った人間のみ。
というわけで、連続殺人が行われていきます。
騙された。
これは久しくなかったくらいの「騙され感」。
その騙し方がものすごくフェアで、感心する。文章の至るところに犯人のヒント(というにはあまりにも露骨な手がかり)がちりばめられてます。
そういえば1・2ヶ所、何か変だとは思ってたんですよ、読みながら。でもまあ多少のおかしさは作者の手抜りかな、とおもい誤魔化しつつ最後まで読んでいったら、詐欺だった。
稚拙や手抜りではなく、詐術だった。
この屈辱感。読み終わった瞬間「これはアンフェアなんじゃないか?」と読み直してしまいます。
この屈辱感を味わいたいがために、ミステリファンはミステリを読むんじゃないでしょうか。少なくとも私はそうです。
これは読んどいてよかったー。あと1年もしたら、もう本屋に置いてないかもしれないわけじゃない?ぎりぎり間に合った、ってかんじですよね。
ISBN:4061823094 新書 北山 猛邦 講談社 2003/05 ¥882
というわけで、連続殺人が行われていきます。
騙された。
これは久しくなかったくらいの「騙され感」。
その騙し方がものすごくフェアで、感心する。文章の至るところに犯人のヒント(というにはあまりにも露骨な手がかり)がちりばめられてます。
そういえば1・2ヶ所、何か変だとは思ってたんですよ、読みながら。でもまあ多少のおかしさは作者の手抜りかな、とおもい誤魔化しつつ最後まで読んでいったら、詐欺だった。
稚拙や手抜りではなく、詐術だった。
この屈辱感。読み終わった瞬間「これはアンフェアなんじゃないか?」と読み直してしまいます。
この屈辱感を味わいたいがために、ミステリファンはミステリを読むんじゃないでしょうか。少なくとも私はそうです。
これは読んどいてよかったー。あと1年もしたら、もう本屋に置いてないかもしれないわけじゃない?ぎりぎり間に合った、ってかんじですよね。
ISBN:4061823094 新書 北山 猛邦 講談社 2003/05 ¥882
なんか深キョン主演で来年ドラマ化されるらしいですね。
原作がかなり面白いんでそこそこ期待してしまいます。
さて、本の方なんですが、天才筒井のミステリらしく画期的な探偵(刑事)が出てきます。
全部金で解決。
湯水のごとく金を使って解決。
トリックなどはわりと平均的というか、とりたてて見所もないものですが、ミステリとしては読み応え充分。
ミステリ嫌いを自称している人間に書けるようなクオリティではありません。才能でしょうね。
それはそうと設定が割と似ているのが、「俺の空(刑事編)」
たしか、安田一平は政治権力を笠に罪から逃れようとする悪者の目の前で総理に電話するんですよね。
「おい、おめえそりゃあ総理大臣じゃねえか!」
「つまらんッスよ」って。
本宮先生も天才です。
ISBN:4101171165 文庫 筒井 康隆 新潮社 1983/01 ¥460
原作がかなり面白いんでそこそこ期待してしまいます。
さて、本の方なんですが、天才筒井のミステリらしく画期的な探偵(刑事)が出てきます。
全部金で解決。
湯水のごとく金を使って解決。
トリックなどはわりと平均的というか、とりたてて見所もないものですが、ミステリとしては読み応え充分。
ミステリ嫌いを自称している人間に書けるようなクオリティではありません。才能でしょうね。
それはそうと設定が割と似ているのが、「俺の空(刑事編)」
たしか、安田一平は政治権力を笠に罪から逃れようとする悪者の目の前で総理に電話するんですよね。
「おい、おめえそりゃあ総理大臣じゃねえか!」
「つまらんッスよ」って。
本宮先生も天才です。
ISBN:4101171165 文庫 筒井 康隆 新潮社 1983/01 ¥460
金閣寺に密室(ひそかむろ)―とんち探偵一休さん
2004年12月11日 ミステリ
これはね、間違いなくおもしろい。
綾辻行人と島田荘司が本格ミステリ論を戦わそうとしてるんだけど、明らかに島田の方が空回りしてるんだよね。
いや本当は空回りなんかしてないのかもしれないけど、世代的に近いぶん綾辻が言ってることの方がよく理解できて、無茶を言う先輩に対してどうしても納得ができない後輩、みたいな構図に見えます。
あんまり強情な綾辻の態度に次第に機嫌をとるようになってゆく島田荘司の態度が爆笑ものです。笑っちゃいけないのかもしれないけど。
個人的にはすごく情熱的に若い人に期待しちゃう島田さんが大好きです。
この本の企画意図はおそらく、新旧のミステリの旗手に「本格とは何か」を問うものだったと思うのですが、そんな綾辻ももう旧世代の人となってしまいました。今度はわかりやすく次の世代交代を表して「綾辻行人×乙一」みたいなのやってくれたらいいのに。
乙一は本格の人ってわけじゃないけど。もう少し先の話かな。
ISBN:4041682037 文庫 綾辻 行人 角川書店 1997/12 ¥546
綾辻行人と島田荘司が本格ミステリ論を戦わそうとしてるんだけど、明らかに島田の方が空回りしてるんだよね。
いや本当は空回りなんかしてないのかもしれないけど、世代的に近いぶん綾辻が言ってることの方がよく理解できて、無茶を言う先輩に対してどうしても納得ができない後輩、みたいな構図に見えます。
あんまり強情な綾辻の態度に次第に機嫌をとるようになってゆく島田荘司の態度が爆笑ものです。笑っちゃいけないのかもしれないけど。
個人的にはすごく情熱的に若い人に期待しちゃう島田さんが大好きです。
この本の企画意図はおそらく、新旧のミステリの旗手に「本格とは何か」を問うものだったと思うのですが、そんな綾辻ももう旧世代の人となってしまいました。今度はわかりやすく次の世代交代を表して「綾辻行人×乙一」みたいなのやってくれたらいいのに。
乙一は本格の人ってわけじゃないけど。もう少し先の話かな。
ISBN:4041682037 文庫 綾辻 行人 角川書店 1997/12 ¥546
京極夏彦の密室もの。「姑獲鳥の夏」と並ぶ傑作。この2作を書いただけでもこの人はミステリ史に残る価値がある。
密室のトリックが分かると同時に背筋が寒くなる。そういう意味で系譜的にはクイーンの「Yの悲劇」に連なる作品。と思う。
これはねー、えずいよ。感心する。えずさに。多分もう読めないけど(精神的、時間的に)。
ISBN:4062646676 文庫 京極 夏彦 講談社 1999/09 ¥1,020
密室のトリックが分かると同時に背筋が寒くなる。そういう意味で系譜的にはクイーンの「Yの悲劇」に連なる作品。と思う。
これはねー、えずいよ。感心する。えずさに。多分もう読めないけど(精神的、時間的に)。
ISBN:4062646676 文庫 京極 夏彦 講談社 1999/09 ¥1,020
西之園萌絵と犀川創平のその後が見られる新シリーズ。
ぶっちゃけミステリとしていまいち。あと「髪にピンクのメッシュを入れた知的な美人」ってゆう設定がどうしても腑に落ちない。なぜなら見たことないから。
でもこうやってキャラクターが代わってゆくときにそれまでのキャラと一緒に登場させて新旧のファンをとりこんでゆくというのはいいですね。
シリーズ作品にちまちま出てくるウルトラセブンしかり、今年の年末のドラえもんの声優しかり。
ISBN:4061823922 新書 森 博嗣 講談社 2004/09/10 ¥861
ぶっちゃけミステリとしていまいち。あと「髪にピンクのメッシュを入れた知的な美人」ってゆう設定がどうしても腑に落ちない。なぜなら見たことないから。
でもこうやってキャラクターが代わってゆくときにそれまでのキャラと一緒に登場させて新旧のファンをとりこんでゆくというのはいいですね。
シリーズ作品にちまちま出てくるウルトラセブンしかり、今年の年末のドラえもんの声優しかり。
ISBN:4061823922 新書 森 博嗣 講談社 2004/09/10 ¥861
戯言シリーズ番外編。
地の文が本編と違って「いーちゃん」の一人称ではないので文の感じがだいぶ落ち着いた感じです。落ち着いたというか洗練されてきたというか。
いつもの戯言より、「家族を大事にしない人は―不合格です。」
というこの話のほうが好き。
西尾維新固め打ち。さすがにしんどくなってきたので(絵面的にも)そろそろやめとこうかと思います。
ISBN:4061823590 新書 西尾 維新 講談社 2004/02/06 ¥1,365
地の文が本編と違って「いーちゃん」の一人称ではないので文の感じがだいぶ落ち着いた感じです。落ち着いたというか洗練されてきたというか。
いつもの戯言より、「家族を大事にしない人は―不合格です。」
というこの話のほうが好き。
西尾維新固め打ち。さすがにしんどくなってきたので(絵面的にも)そろそろやめとこうかと思います。
ISBN:4061823590 新書 西尾 維新 講談社 2004/02/06 ¥1,365
ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹
2004年12月1日 ミステリ
西尾維新戯言シリーズ第5弾。
ほぼトリックなしの豪腕炸裂。
個人的には『クビシメロマンチスト』に匹敵する傑作だと思います。
この人の本はいつも文章力に物をいわせた物語ばかりでミステリって範疇じゃないんじゃない?といぶかしんでましたが、これではっきり分かりました。
豪腕物語作家だ。
そのへんがちょっと京極夏彦に似ている。若いのに。
30代になったらどんなの書くんだろう?
ISBN:406182323X 新書 西尾 維新 講談社 2003/07 ¥1,260
ほぼトリックなしの豪腕炸裂。
個人的には『クビシメロマンチスト』に匹敵する傑作だと思います。
この人の本はいつも文章力に物をいわせた物語ばかりでミステリって範疇じゃないんじゃない?といぶかしんでましたが、これではっきり分かりました。
豪腕物語作家だ。
そのへんがちょっと京極夏彦に似ている。若いのに。
30代になったらどんなの書くんだろう?
ISBN:406182323X 新書 西尾 維新 講談社 2003/07 ¥1,260
サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄
2004年11月30日 ミステリ
西尾維新戯言シリーズ第4弾下巻。
「ちまちましたトリックなんぞ誰が使うか!」てな男らしい感もある解決編。
本当にこの人の書くものは、犯罪者とか殺人鬼とか平気で出てきて捕まらないし、読者の心理の裏をかくことだけでミステリを成立させています。
誰も言わないけどこの人は豪腕作家です。
シリーズが進むたびにいろんな登場人物が出てきて、その回想なんかもあるんだけど、ネタバレぎりぎりでやれてるところにも感心。
ストーリーとは関係ないところでどんどん綱渡りなかんじになりつつあります。要注目。
ISBN:4061822845 新書 西尾 維新 講談社 2002/11 ¥924
「ちまちましたトリックなんぞ誰が使うか!」てな男らしい感もある解決編。
本当にこの人の書くものは、犯罪者とか殺人鬼とか平気で出てきて捕まらないし、読者の心理の裏をかくことだけでミステリを成立させています。
誰も言わないけどこの人は豪腕作家です。
シリーズが進むたびにいろんな登場人物が出てきて、その回想なんかもあるんだけど、ネタバレぎりぎりでやれてるところにも感心。
ストーリーとは関係ないところでどんどん綱渡りなかんじになりつつあります。要注目。
ISBN:4061822845 新書 西尾 維新 講談社 2002/11 ¥924
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