告白

2005年3月29日 小説
これはすごく面白そうだ!

ISBN:4120036219 単行本 町田 康 中央公論新社 2005/03/25 ¥1,995

くっすん大黒

2005年3月3日 小説
名作との話を聞いて購入したが、
そうでもなかった、というのが感想。

解説で表題作のくっすん大黒を梶井基次郎の檸檬と比較している。
これがよくない。
なんか文学みたいじゃん。
町田康はただだらだらした日常をだらだら書いてるだけなのに
そんな先入観を与えないで欲しい。
なんかえらい人みたいじゃん。
世間じゃそうなってるのかもしれないけど。

ISBN:416765301X 文庫 町田 康 文芸春秋 2002/05 ¥410

熊の場所

2005年3月2日 小説
『ピコーン』

駄作っぽい。
この短編集は前から順番に良い作品になってる気がする。

ISBN:4061824074 新書 舞城 王太郎 講談社 2004/12/07 ¥819

熊の場所

2005年2月24日 小説
『バット男』
この話の説法は「弱者でも戦わなくてはならない時がある」、ってことかな?
それとも人間は知らず知らずのうちに、不利益な場所につれてこられる、ということかな?
なんにせよ、さすがに説教くさい。
説教くさいよ、舞城さん。

どこまでいっても収縮にしか向かわないそのストーリーは舞城さんの味でもあるけど、不幸にしか収縮しないのなら、さすがに飽きがくる。

もっと素敵な説教を聞かせてくれ。
才能あるんだし。

ISBN:4061824074 新書 舞城 王太郎 講談社 2004/12/07 ¥819

熊の場所

2005年2月23日 小説
短編集。
舞城は説教くさい、といろんなところに書かれていて、なんじゃらほい、と思っていたのだが、コレを読んで納得した。
うん、説教くさい。
でも嫌いじゃないよ。

『熊の場所』
表題作。自分はいちばんこれが良かった気がする。
説教の中でも良い説教と悪い説教があって、悪い説教というのは聞くほどの情報が含まれていないものがそうなんだけど、『熊の場所』の説教は「自分が恐怖を感じてしまったら、すぐにその場所に引き返さなければならない」というもの。
これを「新鮮」ととるか「聞き飽きた」ととるかは、当然人それぞれの人生経験とか環境とかによるんだけど、自分にはそれなりに新鮮に響いた。
ヤンキーの先輩とかが教えてくれそうな言葉ではあるんだけどね。
そんな先輩いなかったし。

ISBN:4061824074 新書 舞城 王太郎 講談社 2004/12/07 ¥819
読了。良かった。
氷室さんは物語をつくるのがうまいなー。
火サス程度のミステリ要素が、ぴったり。
それにしても高彬ってそんなにいいか?

ISBN:4086146398 文庫 氷室 冴子 集英社 1999/10 ¥460
いやー
漫画の懐かしさに惹かれて買ってしまいましたよ

今読んでも結構面白いね。氷室さんは話の展開というか気になる謎を提示するのが上手なんで、わりとぐいぐい読めます。
なんか1日で3巻から5巻まで読んじゃったし

ISBN:4086145936 文庫 氷室 冴子 集英社 1999/06 ¥540
読了。
よい作品だった。

煙か土か、ほどのインパクトはないけれど(暴力描写がすくないから)
そのぶん友情、ってやつを感じられるとおもう。
青春小説だね。
煙か土か、に抵抗があった人もそんなに抵抗無く読めるとおもう。

ISBN:4061822462 新書 舞城 王太郎 講談社 2002/04 ¥798
煙か土か、の続編。

前作ほどのパワーが無いし、話が収拾ついていない。
かといってつまらない訳ではない。

文章力や文体が他の作家と一線を画してるから。
ただ前作ほどの構成力がないのが残念。

ISBN:4061822063 新書 舞城 王太郎 講談社 2001/09 ¥1,260

宇宙消失

2005年1月20日 小説
読了。

時間がかかったのはページが多いからではなく、単にほっときすぎたため。
大きなタイトルのわりに、小さな話になっていた。決してつまらないわけではなく、むしろ面白い小説だった。

波動関数の収縮はいつ起きるか―
『シュレディンガーの猫』
外から見えない箱の中に、いつ毒ガスがでるかわからない装置と猫をいれる。箱の中の猫は生きているか、死んでいるか。生きていて同時に、死んでいる状態というものはない。どちらかの結果に収斂するわけだが、それはいつなのか?

という量子力学の命題を題材にしてます。
この小説では、大胆にそれを「人間が観測したとき」と仮定して物語がつくられます。
つまり人間が観測するまで可能性は収縮せず、常に「生きていて、死んでいる」世界が存在するということです。


SFってわけわかんないですね。でもこの発想はとても新鮮で、ひょっとして真実なんじゃないかと思ってしまいました。
つまり人間には収縮時の固有状態の選択する能力があって、それが人間の運・不運をわけているのではないかと。
ものすごい知的な刺激。
悟りだな、これは。

キチガイだと思われるのは嫌なんで人には言いませんけど。


ISBN:4488711014 文庫 山岸 真 東京創元社 1999/08 ¥840

宇宙消失

2005年1月7日 小説
ブックオフにてタイトル買い。

こんな壮大なタイトルも他に無いでしょう。
実はまだ半分くらいしか読んでないんだけど、かなりぐいぐい読ませる作品。買ったときは絶対タイトル負けしてると踏んでいたのに。
夜空から星が見えなくなったっていう内容から、タイトルを「宇宙消失」にしたのは秀逸。
でも本当に宇宙が消失してるところから始まってたらもっと面白かったのに。でも最後に消失するかもしれないので、期待して読み進めてます。


で、なんで面白いのに半分しかまだ読めてないのかというと、正月あけで仕事が忙しいから、ってゆうのと、SFなんで毎回設定を思い出しながら読まなきゃいけないので、ちょっと億劫になってなかなか読めないってゆうのがある。

SF作品は名作の宝庫なんですが、コマ切れの時間しかとれない社会人には厳しいもんがある。
学生のときもっと読んどきゃよかった。


ISBN:4488711014 文庫 山岸 真 東京創元社 1999/08 ¥840

ファウストvol4

2005年1月6日 小説
はじめてファウストを買いました。

文芸合宿が良かったです。いい企画。
乙一、北山猛邦、佐藤友哉、滝本竜彦、西尾維新という若手人気小説家による競作とリレー小説だったんですが、本編の後に収録されている合宿を振り返ってのトークを含めて、それぞれがどんな人なのかが垣間見れて面白かったです。

こうして同じテーマの短編を並べてみると、作者の性格がすごくはっきりでていて楽しめますね。若手、ってゆうのはわりとひとくくりにされやすいんですけど、この5人は作風もスタンスもかなり際立ってて、この「文芸合宿」という企画は、人選だけでもう成功といえるんじゃないかと思います。

その中でも、やっぱり僕は滝本竜彦が好きだな。
ECCOはそんなに、ってかんじだけど、短編とリレー小説のパートは良かった。特にリレー小説はすごかった。他人の文章の中にあるとやっぱり際立つね。
これについては、またじっくり書きたいと思ってます。

いや買ってよかったよ。ほんとに。


ISBN:4061794469 ムック 西尾 維新 講談社 2004/12/24 ¥1,470
けっこう面白かった。
良かった点を2点挙げてみたい。

一つは、この小説全体に独特の不思議なリズムみたいなものがあること。
作者があとがきで、今でも自分が高校に通う夢を見る、と言っているのを読んでとても納得した。そんな夢の中の話のようなリズム。

二つ目は、構成がとても綺麗であること。
この話は5人の視点で一つの事件の側面を語られている。最初の視点、啓司は、ブギーポップとの出会いによって「人類に危機が迫っている」ことを知り、また、それがいつの間にか「すべて解決」していることを知らされる。
完全に蚊帳の外だった啓司の視点から、視点が変わるたびに、ひとつひとつ薄皮を剥くように「何が終わったか」を読者も知らされてゆく。

さすがにそれなりに名の通った作品らしく、読ませる力は充分。
ただ欲を言えば、中・後半部分まで読めばだいたいどんなことが起きたかは把握できてしまい、肝心の事件のところにサスペンスを感じられないのが残念。サスペンスを最後まで引っ張るトリックの一つでもあればよかったのに、とは思う。

ISBN:4840208042 文庫 上遠野 浩平 メディアワークス 1998/02 ¥578

失踪HOLIDAY

2004年12月19日 小説
途中まで読んで断念。
なんか、ディティールに対する感覚が自分と違う感じがして、読みづらかった。頭の中にシーンのイメージ図が浮かびづらいってゆうのかな。
良作という評判が高い本書だけに、もう一度読み返すこともあるかもしれませんが、しばらくはいいや。

ISBN:4044253013 文庫 乙一 角川書店 2000/12 ¥580
これはクイックジャパンで大推薦されてたんで、本屋でみつけてすぐに買いました。面白かった。未読なら読んで損はないと思う。ラブもサスペンスもミステリ的要素もてんこもりの良作です。

しかし映画のほうに対して残念なことが一つあります。それは原作の方では、担任の教師は明らかに3年B組金八先生をモデルにしてるのに、たけしがその役をやってること。
わかります。確かにここで武田鉄也は出演しないでしょう。出たら金八先生もうできないですから。でも、たけしがここで出るとなんか映画に「含蓄」がでてきて良くないと思うのですよ。

原作のウリは、金八が楽しみながら生徒たちを殺し合わせるという軽薄な悪趣味であって、それゆえそんな理不尽に巻き込まれた悲惨さが浮き立ってくるというのに、たけしがやると単なる悪ふざけで殺し合いをさせてるというより、何か意図や覚悟があってやらせてるという感じになってしまいます(実際そんな演出だった)。たけしには観る者に人間的度量を感じさせる、そんな含蓄がありすぎるのですよ。
この話には不要なのに。

それはいかんよ。深作さん。原作はそんな重っくるしい物とは無縁だったはずだよ。もっとポップに殺し合いを描こうよ。

・・・・・・・なんてことを考えてたらいつの間にか2が出てました。これについてはまた明日。

ISBN:4872334523 単行本(ソフトカバー) 高見 広春 太田出版 1999/04 ¥1,554

星を継ぐもの

2004年12月6日 小説
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。

とまあこれはアマゾンから。

言わずと知れた歴史的名作。なによりタイトルが抜群にかっこいい。
月にあった死体(ほぼ人間)がどこから来たのかをめぐって喧喧諤諤の議論が壮大なスケールに広がってゆく様は背筋がぞくっとするほど。
そして現世人類とのつながりがリンクする瞬間は美しいとしかいいようがない。
仮説・検証っておもしろそうだなー、科学者って楽しそうだなー、とおもった一作。

ISBN:448866301X 文庫 池 央耿 東京創元社 1980/05 ¥693

落日燃ゆ

2004年11月26日 小説
東京裁判において、A級戦犯として絞首刑に処されたただ一人の文官、広田弘毅の生涯を追った小説です。

城山三郎の本に駄作はありませんが、その中でもこれは特に熱のこもった作品です。
熱がこもっているといっても、文体はとても抑えられていて淡々と話は進んでゆきます。広田弘毅の人格の高潔さ、吉田茂の稚気が物語を(つまりは敗戦直後の日本を)くっきりと際立てせています。
読むと特に吉田茂にシンパシーを感じてしまいます。

ISBN:4103108142 単行本 城山 三郎 新潮社 2002/03 ¥2,520

長崎オランダ村

2004年11月23日 小説
村上龍の作品の中ではかなりうずもれてる感のある本作ですが、個人的にはベスト10に入れていい物なんじゃないかと思っています。

内容をざっくり説明しますと、村上龍の分身であるケンが、実家のある佐世保に戻って旧友のナカムラと会います。
ナカムラは長崎オランダ村のイベンターをやっていて、そのときの苦労話なんかを美味しいものを食べながら語ってくれます。

・・・・・だけ。これで小説になるんか?てな内容ですが、充分なってます。
小説の中で、いろんな国の人たちが長崎に出稼ぎにやってきて、それぞれの国の流儀を固く守って、それぞれ勝手に恋をしたりさみしくなったりしています。ナカムラはイベントの最終日になんとかみんなでもりあがろうと考え、ある歌をうたいます。『let it be』
世界中の人が知っているこの曲を、いろんな国籍をもつ人たちがそれぞれに、思い思いに一つの曲を歌うのを見ていてナカムラは「ビートルズとはこのようなバンドだったのだ」と気づきます。
名シーンだと思います。

ISBN:4062630397 文庫 村上 龍 講談社 1995/08 ¥368

羊をめぐる冒険

2004年11月11日 小説
春樹の作品の中でいちばん面白かったような気がする。
村上春樹に対して好きとか嫌いとかいった感情はないけれど、なぜかほとんど読んでしまった。
それだけ文章が上手いってことなんでしょうね。でもなぜか読んですぐ内容を忘れてしまいます。
蛇足だけど「世界の中心で愛をさけぶ」と「ノルウェイの森」が比較されるのはやっぱり間違ってると思う。これだけは。

ISBN:4062002418 単行本 村上 春樹 講談社 1982/10 ¥1,995

NHKにようこそ!

2004年11月10日 小説
昨日再読してみて、これは意外と傑作かもと思いました。

「ロリコンは人間じゃない。小学生を盗撮する醜い俺を写せ!その醜さを確認して立ち直ろう」
という理屈はすばらしい。
小学生のパンチラを撮りたい衝動を、「後輩にロリコンの醜さを教える」という自己犠牲にすりかえて自分はそのすりかえに気づいていない、というのは生半可な作家にはかけないシーンじゃないでしょうか。
「犯罪者的な欲求をなんとか正当化したい」「人の役に立って認められたい」「でも自分は傷つきたくない」という人間の最も醜いところを最も醜く描いている、という点で文学史上に残る名シーンだと思います。
個人的にはね。

ISBN:4048733397 単行本 滝本 竜彦 角川書店 2002/01 ¥1,785

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