眠りの牢獄

2004年12月20日 ミステリ
出版社/著者からの内容紹介
階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた3人の青年。3人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。ラストで明らかになるあまりにも異常な「切断の理由」。そして……!!

という内容紹介を読んで購入した次第。
岡嶋二人の「そして扉が閉ざされた」みたいなのを期待して買いましたが、ちょっと違ったみたいです。
閉じ込められた3人が中心になってミステリを解いていくのかと思ったら、外で行われている犯罪とのリンクによって真相が明らかになってゆく、というわりと自然解決型に近い展開でした。

この人の本ははじめて読んだんですが、とてもプロっぽい、職人っぽいミステリを書く人だな、と感じました。
ただ、真相に辿り着くまでにほとんど回り道なしで話がすすめられているところが、ミステリのカタルシスを損ねているような気がします。
個人的な好みとして、登場人物がいろんな仮説をたてて、ああでもないこうでもないと言いながら真相にたどり着く、といったものの方が好きなので。
長編にして耐えられるだけのミステリ要素を充分にもってる本書だけに、もったいないように思いました。

ISBN:4061821903 新書 浦賀 和宏 講談社 2001/05 ¥756

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