探偵が警察より優先捜査権を持つパラレルワールドのイギリス。
そこで探偵皇・クリストファー卿が殺された。
犯行現場は密室。そこにいたのは記憶を失った"私"だけ。
犯人はイギリスの探偵を次々と殺している殺人鬼"猫"であることは分かっている。
はたして"私"が"猫"なのか―。
警察の手にかかれば、その場にいた私が犯人にされてしまう。
"私"は探偵士に真相の解明を依頼することにした。
3人の優秀な探偵士の中から誰に捜査を依頼すればいい?

といった内容。
読者が3人の探偵の内から1人を選んで話を進めていくようになってます。なんかゲームブックっぽいな、と思っていたら、あとがきを読むと、もともとがゲームブックだったのを長編小説のような形に直したものらしい。

試みとしてはすごく面白い。
ただ、物語の最後の方で現実世界とヴァーチャル世界との区別がつかなくなるところが、さすがに古臭い、と思ってしまった。10年以上も前に書かれたものなので仕方ないのだろうけど。

もう一点、最終的にこの小説では話を収束させているのだけれど、選択がパラレルである以上、真相ももっとパラレルなものであっても良いのではないかと感じた(ネタバレになるので、あいまいな書き方でごめんなさい)。

ISBN:4062739615 文庫 山口 雅也 講談社 2004/02 ¥750

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